「最後の砦」も、もう貸してくれなかった。
詰んだ。
終わった。
どうしよう。
給料日まで20日以上ある。
それまでの食費、生活費、スマホ代……なにもかもが足りなかった。
「何をやってんだ俺は」と、いつものように思った。
だが後悔先に立たず、という言葉通り、響くのはいつも後悔した後だ。
精神的にアホなのだ。
アホだから、とにかく金を手に入れたくてネットを彷徨った。
まともな判断力なんてもう無い。
“金になるもの”を探す脳みそに切り替わってた。
ファクタリング──借金じゃないと言い張るヤミ金まがい
たどり着いたのは「個人向けファクタリング」。
聞いたことある人もいるかもしれん。
本来は法人や個人事業主向けの“売掛金を前倒しでもらう”仕組みやけど、
俺が使ったのは明らかにそれとは違った。
2万円借りたら、給料日に3万円返せ。
契約書もあったけど、建前だけは“売買契約”。
でも実態は、どう見ても闇金と同じ金利構造やった。
LINEだけでやりとり。
対応は敬語やけど、妙な圧が漂う。
支払い遅れそうになったら、「どうされますか?」と冷たい文面で催促がくる。
この口調の裏にあるものが、めちゃくちゃ怖かった。
似たような“先払いシステム”にも手を出した
ファクタリングだけやなく、「先払いシステム」という謎のサービスもあった。
「審査ゆるめ」「即日OK」「電話なし」──魔法の言葉が並んでる。
結局そこでも同じ。
2万借りて3万返す。
本当に助かったのか?
いや、返す未来を売っていただけやった。
圧が強く感じて、1社と連続でやりとりはしなかったけど、
結局俺は同じような業者を転々として10回以上利用してた。
末尾0110──警察からの電話
その後、いつものようにスマホで金策を探していたとき、
見知らぬ番号からの着信があった。
普通なら無視してた。
けど、番号の**末尾が「0110」**だった。
……警察や。
一瞬でそう察した。
でも、なぜ俺に?
思い当たる節がないわけじゃなかった。
だから怖かった。
でも、気になって出た。
「ヤミ金の取引にあなたの名義口座が関与していました」
電話の相手は、ちゃんとした警察だった。
ファクタリングで使ってた業者の名前を出してきた。
「その業者、実はヤミ金でした」と。
俺は“ヤミ金まがい”だと思ってたけど、完全な闇金業者だったらしい。
なんで俺のことが分かったかというと、
そこの取引口座の履歴に、俺の名義口座とのやりとりが残ってたらしい。
そのやり取りの金額・頻度・内容から、違法金利の取引があったことが明白。
「いまはまだ容疑の段階ですが、摘発のために捜査にご協力いただけますか?」
言われた時、もう断る理由もなかった。
すべてを話した。
LINEのやり取りも、振り込み金額も、すべて開示した。
2ヶ月後、また警察からの電話。そして衝撃。
捜査協力から2ヶ月が経った頃。
また0110の番号から電話がかかってきた。
「摘発が完了しました。被害分の返金を行いますので、口座を教えていただけますか?」
……え?
まさかの展開だった。
頭が真っ白になった。
10回以上使った中での差額、約10万円が返ってくるという。
今になって冷静に考えれば、
「これ詐欺やったらどうするねん」って警戒してもおかしくない流れ。
でも俺は──金に目が眩んで、即答で口座を伝えた。
数日後、ちゃんと10万円が振り込まれていた
通帳を見たとき、震えた。
ほんまに振り込まれてた。
神は、俺を見捨てていなかった。
……いや、たぶん見捨てかけてたけど、ギリで戻ってきてくれたんやと思う。
※闇金に手を出す前に、まだ使えるところがある
正直、俺は焦って見える範囲しか見えてなかった。
あのとき、ちゃんとした業者に相談していれば──
闇に落ちなくて済んだかもしれん。
でも、実は「多重債務でも通る」可能性がある金融機関って、探せばまだある。
俺が実際に通った、アローやアルコシステムがそうや。
もし、今のあなたが俺と同じ崖っぷちにいるなら。
ヤミ金に手を出す前に、ここを試してほしい。
まとめ:ヤミ金まがいでも、最後は真っ当に生きたいと思った
あのとき、10万が返ってきたことで少しだけ意識が変わった。
「まだ終わりじゃない」って思えた。
だが、根本的な問題──金が無いことには変わりない。
俺はまた、新たな金策に手を伸ばす。
次の舞台は、「Apple後払い枠」の現金化。
──第4話へ続く。
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